2018年4月17日火曜日

細胞の分子生物学 第1章「細胞とゲノム」

担当:大林
参加者:8名

[概要]
 細胞は、全生物に共通する機構であるDNA→RNA→タンパク質という情報の流れに基づいた物質代謝を行い、その恒常性を実現している。この機構の成立の背景には遺伝子重複や細胞内共生などの遺伝子資源を増やす仕組みがある。

[議論点]
非翻訳DNAは不要か

non coding DNAの割合
 ヒト:98.5%
 トラフグ:50%以上
 大腸菌:11%以上
 non coding領域の量は進化可能性を反映しているかもしれない。

non coding DNAの機能を考える
 調節領域
 現在必要ではないが、いつか(過去も含む)必要な領域
  プログラミングにおけるコメントアウトのようなもの

non coding DNAがcoding DNAになる可能性はあるか
 コドン表(genetic code)は不変
  同じmRNAからは同じタンパク質ができる
  mRNA作成のコピーミスでバリエーションができる可能性
 配列変異によって、non codingがcodingになる可能性(de novo gene birth)

non coding DNAの分類
 特定の遺伝子に含まれない領域
 特定の遺伝子に含まれるが、splicingによって翻訳対象にならない領域(exon)

[まとめ]
 非翻訳DNAには、調節、未知の特定状況における翻訳DNA化、変異による翻訳DNA化(進化可能性)などの役割があり、不要と言い切るのは難しい。