2013年6月26日水曜日

HMGセミナー 第10章: モデル生物、比較ゲノム学、進化 (1)

担当:寺嶋
参加者:14名
教科書:ヒトの分子遺伝学


節の概要:
<10.1節>単細胞生物からヒトまでの様々なモデル生物について
<10.2節>コード配列の純化選択による保存や正の選択による進化と、比較ゲノム解析の仕組みやブラウザ、利用方法

議論点:
「非コードRNA(ncRNA)は生存するためにはどの程度必要なのか」


タンパク質の領域は少ない
 -ゲノムの殆どはガラクタ?
  →ゲノムは広範囲に転写されており必要なncRNAもある
   -全部必要なものかもしれない?
   -無闇に転写される?
    -何かあったときのため

ncRNAはどのように機能するか
 -調節が多い
 -転写は急速にできる

「生存できる」の定義
 -最低限必要なRNA
 -何らかの働きがあるRNAということではない
 -使用の有無を問わず、勝手に転写されるRNAは含まない

染色体の数%が無くても生存は可能
 -まだまだRNAの数は削る事が出来る?

恒温動物⇔変温動物
 -恒温動物の方がエネルギー消費は大きい

未知の環境に適応する事を考える
 -環境の厳しさをレベルで表す
  -例:レベル2で必要なRNA△△

余計なコピーも害がなければ問題が無い
 -ゲノム的には無駄
 -飢餓状態なら影響があるかも?
  →むしろ飢餓状態の対応を忘れた方が長生きできる
   -例:食料が豊富な実験室のマウス
   -環境に適応できない事は悪いことではない

短期と長期の適応
 -短期に対する過学習はよくない

その他の議論点:
<人工合成学>
・人工のモデル生物はどの程度実際のモデル生物に似ているのか
・人工生命体は作れるのか
・合成生物学の特徴とは何か

<モデル生物としてのヒト>
・ヒトをモデル生物とする研究は今後どのようになるのか
・2020年までに個人のゲノム配列決定は日常的になるのか

<ヒト以外のモデル生物の解析>
・酵母で人類が知るに値する事柄とは何か
・人以外のゲノムも簡単に読める時代が来るのか
・人間の脳に近い脳を持つマウスを作ることは可能だろうか

<正の選択>
・正の選択が起こる理由とは何か

<比較ゲノム解析>
・比較ゲノム学で現在残されている問題とは何か
・保存される非コード配列で偽陽性と判断されるものを減らす方法はあるのか

<非コード配列の探索>
・SNP頻度からヒトの遺伝子調節配列を見つけられないか?

まとめ:
今回はモデル生物とゲノムの進化と保存、比較ゲノム解析についての節で話題が多かったので、色々な内容の議論点が集まりました。議題となった生存に必要な非コードRNAについては、様々な条件を中心に環境への適応へと議論が発展していきました。

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