2013年5月22日水曜日

HMGセミナー 第6章: DNAの増幅 (後半)

担当: 田高
参加者: 17名
教科書: ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<6.3節> 遺伝子発現を目的とした細胞を用いたクローニング手法に関して述べられている
<6.4節> in vitroにおけるクローニング手法であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)やPCRを用いた応用技術に関して述べられている

議論点:
教科書では昆虫細胞でバキュロウイルスを用いた遺伝子の一過性発現系に関して述べられており、これを用いて生産されたタンパク質はほ乳類細胞で発現されたタンパク質と同様であると見なしうると記されている。しかし、本当に昆虫細胞での発現をほ乳類細胞での発現と見なしてもよいのか?
  • 昆虫とヒト
    • 構造が違う
  • 昆虫細胞でヒト型のタンパク質は生産できる。
  • 酵母とヒトの糖鎖(修飾)には違いがある。
    • 修飾の違いは問題になり得るのでは?
  • 細菌はタンパク質は生産するが修飾はしない
    • 修飾が関係なければOK?
  • 実験室的な試行の順番
    • 細菌→酵母→昆虫
    • 細菌→バキュロウイルス
  • 昆虫+バキュロウイルスは使いやすい
  • 昆虫には骨が無い
    • 骨の周りor骨に関係するタンパク質では影響があるのでは?
      • 培養細胞を使って行うためある程度はOKだが100%ではない可能性がある
結論: 議論点に対する結論を出すのは難しい。

その他の議論点:
・PCRで増幅可能なサイズの上限は5kbほどであると述べられているがそれはなぜか。
・クローニングを行う際に大腸菌がよく利用されるがそれはなぜか。
・PCRは30~40サイクルで終了するが、その理由として阻害物質が蓄積するということが挙げられている。それはなぜか。
・ほ乳類細胞に導入された遺伝子は細胞の染色体DNAへ組み込むことが可能であるがその組み込まれる効率は低いと述べられている。それはなぜか。
・昆虫細胞でバキュロウイルスを用いた一過性発現のデメリットにはどのようなものがあるか。
・PCRで用いられるDNAポリメラーゼは高温でも活性を持っている。どのような仕組みになっているのか。
・PCRを自動化できないか。
・現在、組み替えがうまくいっているかどうかを調べるためには抗生物質を使う方法が用いられるが、抗生物質を使わない確認方法は無いのか。
・翻訳後修飾が無くてタンパク質が不安定になるのは真核生物の特徴なのか。それとも原核生物の特徴なのか。
・昆虫細胞の法が組み替えたタンパク質を導入しやすいが、それはなぜか。
・細菌はどのくらいの高温でも生きることができるのか。
・PCRのサイクル数は標的配列やプライマーなどによって変わるのか。
・昆虫を用いた一過性発現系に関して述べられていたが、持続性発現系は存在するのか。
・クローニングには細胞系を使うものとPCRの様に細胞を使わないものがあるがそれらの折衷案のようなものはあるのか。

0 件のコメント:

コメントを投稿