2012年9月27日木曜日

MBCセミナー1-2 ゲノムの多様性と生物の系統樹

投稿者:城田松之


このセクションでは生物の多様性と生物間の類縁関係について述べられています.


議論した点 

 

・遺伝子の水平伝播はどのような時に起こる


生物の多様性をもたらす要因として新規遺伝子の創出があります.これは主に古い遺伝子の変異,重複,相同組み換えによって起こりますが,水平伝播によって起こるものもあります.この水平伝播がどのような状況でおこりやすいのかを皆で考察しました.

ゲノムは守らなければならない
細胞とDNAを混ぜるだけでも形質転換(病原性の伝播)がおきるので,比較的容易に水平伝播するのではないか
ではご飯を食べるだけでも伝播するのか?死んでいれば大丈夫?
原核生物は起こりやすいので,核がないということが重要なのでは.
生命誕生の時にはもっと防御システムが弱かった.

細胞内ではDNAseが存在して外来のDNAを分解している.
自分のDNAが分解されないようにDNAメチル化などの制限修飾系をもちいて防御している.

有性生殖も水平遺伝なのか


・原核生物の形と環境

丸いものが自然に見える.細長いものやらせん状のものはどのようにしてそのような形になっているのか
関連しそうな因子
 栄養・表面積・流れ
細胞の形は細胞壁や細胞骨格によって形成されている.
表面の分子,脂質などによっても形は決まる
丸いものは動かなくてもよいのか
短い繊毛があって動くことができるものもいる
受動的に生きていればよいものは丸くて能動的に運動しなければならないものは細長かったりらせん形をするのではないか

その他挙げられた疑問点

・自由エネルギーとは何か?

・ゲノムサイズと遺伝子数の関係は

・深海の生物はどうやって生きているのか

・細菌と古細菌の違い

・ウイルス由来の塩基配列がどうやって伝わるか

・最初は無機栄養生物と光栄養生物のどちらから始まったのか

・なぜ生物のドメインは3つなのか

 

感想


生物がどのようにして今のような形態に進化してきたかというのは生物学の大きな謎のひとつです.遺伝子の水平伝播は生物が多様性を獲得するためのメカニズムの一つですが,どのような場合にそれが許されたり許されなかったりするのかということは難しい問題だと思いました.また,生物の形については,必ずしも遺伝子だけで決まるわけではなく,細胞を構成する膜やタンパク質などの物性にもよると考えられるので,物理化学の領域の検討事項であるようにも思います.

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