2017年3月8日水曜日

細胞の分子生物学23章 専門化した組織,幹細胞と組織の再生 第7,8節

細胞の分子生物学23章 専門化した組織,幹細胞と組織の再生 第7,8節
担当:田河
参加者:7名

概要:
 結合組織細胞についての節では線維芽細胞、軟骨細胞、骨細胞、脂肪細胞について取り上げた。これらの内大部分はコラーゲンの細胞外マトリックスを分泌するように専門化しており、協力して体の構造的枠組みを保っている。
 次の節の幹細胞工学ではES細胞といった胚性幹細胞について説明されており、将来の再生医療の展望についても述べられている。

議題:どんな組織でも修復できる世の中はどんな感じか

前提
  • 万能細胞をいくらでも使える時
  • 脳以外はすべて修復(交換)可能な時

考えられること
  • 病気を気にしなくなるのでは?(金銭的には気にするか)
  • 寿命は伸びそう
  • 事故や危険に対する意識が低下しそう→それでも大きな事故では死んでしまうことは変わらなさそう
  • 治療費が高い場合は貧富の差の増大?
  • 身体障害者がいなくなる→逆に生命の多様性は減ってしまう可能性あり
  • もはや電脳化のほうが簡単そう
  • 殺人や毒殺など他殺という概念はそういった社会でも変わらなく存在しそう


まとめ
 結局修復不可能な致命傷を負ってしまった場合では死んでしまうので、案外今と変わらないのではないかという意見が新鮮だった。また、身体障害者がいなくなるという意見で多様性が逆に減ってしまうのではという懸念があったが、障害を持っている人が今後おもわぬ方面で何らかの生存的メリットを見出す可能性があるのだろうかということに対しても興味が湧いた。
 今回で自分は火曜討論会が最後であったが、このような自分では思いつかないような考えが聞けることはとても有益だった。さらに就活においてのグループディスカッションや面接において、この討論会で討論慣れしていたせいかスムーズに相手とコミュニケーションがとれることが多く、そういった面でもメリットが感じられた。今後も是非楽しく続けていってほしい。


2017年2月28日火曜日

細胞の分子生物学23章 専門化した組織,幹細胞と組織の再生 第4~6節

担当 :平田
参加者:7名


概要
第4節 血管,リンパ管と内皮細胞
  体の細胞は血液供給が必要で,血管リンパ管が全身を巡っている.これらの管の内壁を覆う内皮細胞は発生に関わり重要である.血管の伸長は内皮細胞から突出した内皮先端細胞に先導されて行われるが,この時に別の種類の細胞やリンパ管との交差が起こらないように制御するさまざまな遺伝子が働く.

第5節 多能性幹細胞による更新ー血液細胞の形成
  血液細胞には赤血球白血球血小板の3種類が存在し,白血球はさらに顆粒球(好中球・白血球・好酸球・好塩基球)・単球・リンパ球(B細胞・T細胞)・ナチュラルキラー細胞の4種類に分類される.それぞれの血液細胞にはそれぞれの役割があるが,その全ては骨髄にある多能性造血幹細胞から作られる.また作られた血液細胞は寿命を迎えると処分されるため,血液細胞は絶えず作っては捨てられを繰り返している.

第6節 骨格筋の発生,機能調節 ,再生
  哺乳類の筋細胞には骨格筋細胞(筋肉),心筋細胞(心臓),平滑筋細胞(消化管等),筋上皮細胞(唾液分泌等)の4種類がある.骨格筋細胞は核が複数ある細胞で,筋芽細胞が融合してできる.また収束装置の成分となるたんぱく質はスプライシングによって変種群も作られ,それが遅筋と速筋の違いを生み出す.また必要となった時に筋繊維の成長を再開する筋芽細胞の能力を持った衛生細胞が骨格筋細胞にくっついている.




議論
サラブレッドは遺伝子ドーピングではないのか?


◯サラブレッドとは?遺伝子ドーピングとは?
・サラブレッド
優秀な個体もしくは品種同士を掛け合わせる.サラブレッドかどうかは血統で決まる.
現在では良いとされている.

・遺伝子ドーピング
優秀な個体を作成するために遺伝子を操作する
一般的に許可されない・理解されないことが多い.
体細胞を変化させる操作を行う.その変化が当世代のみか世代を越えるかの違いあり.
CRISPR-Cas9での操作や遺伝子導入が考えらえる.


◯サラブレッドと遺伝子ドーピングの違いは?
・サラブレッド
自然的な発生
(交配させる個体を選択する点では人為的だが)優秀な個体は確率的に誕生
非効率的である
成長してからの個体選別がなされる
時間をかけて優秀な個体を生み出すことが良いとされる

・遺伝子ドーピング
人為的な発生である
(理想的には)確実である
効率がよい
受精卵を選別する
食べ物に行うには不安がある
現状ではコストが高い(安ければ皆やる?)
技術が確立されていない

まとめ
競馬の場合はゲーム性を担保するためにゲノム編集およびゲノム解析を禁止されている可能性があり,サラブレッドを作り出す努力によって成立している
対して人や食べ物における遺伝子操作や遺伝子ドーピングは,よりセンシティブな問題である






2017年2月27日月曜日

細胞の分子生物学 23章 専門化した組織、幹細胞と組織の再生 第1〜3節

担当:天満
参加者:7名


概要:
[1節. 表皮と幹細胞によるその更新]
細胞はもともと個々に自由生活をする生物として進化してきたが、多細胞生物になるにあたり、単独で生きていくために必要な特性を失い、専門化して、一個の生命体を作る上で必要な特性を獲得した。細胞たちは協力して多種類の組織を作り、これがさらに器官を作って様々な機能を果たしている。
皮膚は数種類の異なる細胞からできており、バリアとしての機能を果たすために、皮膚の下では他の多くの組織でも必要とされる繊維芽細胞や内皮細胞、免疫系細胞、神経繊維など、様々な支持細胞や構造が働いている。
[2節. 感覚上皮]
人体には表皮とは別に表面を覆う上皮が専門化し、匂いを感じたり、音を聞いたり、景色を見たりできる。各感覚上皮の内部にはシグナル変換器として働く感覚細胞があり、外界からのシグナルを、神経系が読み取れる電気信号に変換する。鼻、耳、目の感覚シグナル変換器はそれぞれ嗅覚ニューロン、聴覚有毛細胞、光受容器である。
[3節. 気道と腸管]
表皮や上皮は胚の外層にあたる外胚葉に由来する組織や細胞の一部だが、胚の最内層にあたる内胚葉は原腸を形成し、消化管やその付属器官の内壁を覆う各種細胞の元となる。


議題:
ヒトが他に嗅ぎ分けられるとよい匂いはあるか

■「気づきたい」匂い
身体に危険を及ぼしうるものの兆候(ガス、腐ったものなど)

■ヒトがイヌ並みの嗅覚を持っていたら?
イヌ:嗅覚受容体遺伝子がヒト(350個)の三倍
カレーのスパイスを嗅ぎ分けられる
食文化が豊かになるかも
分泌物の匂いで相手の体調や機嫌がわかるかも

■なぜヒトは嗅覚があまり強くないのか?
イヌの先祖はオオカミで生きていくために狩猟をしなくてはならなかった
夜に行動するには視覚はあまり役立たない
ヒトは衣食住のために昼間に行動し視覚を発達させてきた
その結果嗅覚があまり発達しなかった可能性


考察:
目や鼻、耳といった感覚器官はそれぞれの生物において、その進化の過程で生活に合わせた進化がなされてきた。そう考えると、ヒトが現在持っている能力は進化の中で調整されてきた能力であり、ヒトとして生きていく上で十分なものなのかもしれない。
ただ、もっと視力に優れていたり、様々な匂いを知覚できたり、幅広い音を聞いたりできたらという好奇心は湧くもので、知覚機能の増強技術などは興味深い課題と言えるのではないであろうか。



2017年2月21日火曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast (2016/02/04) Spring cleaning cells

Nature Podcast (2016/02/04) Spring cleaning cells
元情報:http://www.nature.com/nature/podcast/index-2016-02-04.html
担当 :加賀谷
参加者:7名

概要

細胞は分裂を繰り返すと、それ以上分裂することができない『老化』した状態になることが知られており、p16INK4aの発現などの特徴が見られることが知られている。今回の論文では、このp16INK4aを発現する細胞でアポトーシスを誘発する薬剤を週2回注射することで、このような細胞を除去することとし、結果として副作用なくマウスの寿命を延ばすことに成功した。

議題 老化が抑制された場合の社会構造の変化

・日本の平均寿命
  ・男性: およそ80歳
  ・女性: およそ87歳
  もし仮に論文のマウスのように25%延びると
  ・男性: およそ100歳
  ・女性: およそ109歳

現状の社会構造

・年金 : 65歳から支給
・労働 : 15 ~ 65歳

 ・25%延びると81歳まで労働することになる
  ・働く人が多くなりすぎる?
  ・長すぎ



その他の疑問

・脳の構造は何か変化するのか?
・病気のリスクとかはどうなるのか?
・総人口は増える?減る?
 ・総人口が変化しないと、年代ごとの人口は減ることに
・経済レベルが反映されやすくなる
 ・薬を注射しなきゃならないから
・若い方が有利な産業とか
 ・ITとか先進的なの
・長すぎる人生で鬱が増える?
・死因は変化する?

まとめ

論文ではこの手法をマウスでのみ実験しているが、ヒトでも安全に使えるようになったら、確実に平均寿命は伸び、社会的変化が必要になることは確実であると考えられる。老化を抑えることで生産可能人口を増やすことができるが、一方で組織の新陳代謝は悪くなり、新しい技術や価値観の導入に遅れがちになることが予想されるとも考えられると感じた。また、寿命を延ばすことは一般的によいことだと思われがちであるが、本当に長生きしたら幸せなのか?といった意見も出たことは興味深かった。

2017年2月14日火曜日

細胞の分子生物学 22章 多細胞生物における発生 第7~9節

担当:栗本
参加者:7名

<概要>
第7節
マウスは哺乳類であり、小さくて繁殖が速いことから遺伝研究によく用いられている。哺乳類は栄養が母体から補給されるため卵が非常に小さく、発生初期に胚体外組織を作る。また、その頃の発生系は自己調節的で、内部細胞塊はの細胞は分化全能である。
第8節
ニューロンはグリア細胞と一緒に生成し、軸索と樹状突起は成長円錐で成長し、伸張する。神経細胞はニューロンのプログラム細胞死とシナプス除去によって形成されていく。
第9節
植物は環境からの影響を大きく受けるため、葉などが受精卵から出てくる経路が数通りあり、頂端分裂組織が増殖して体の末端に新たな機構を追加するという過程で成長していくため、植物の特徴として反復構造がある。

<議題>
人間の記憶力の高さの理由

記憶力が良いことのメリット
・危険回避ができた経験
・食べ物の獲得の経験
(イヌ、ネコでも回避できる?)

→思考力が上がる意味は?(記憶力と思考力は関連)
思考力とは...条件が同じでなくても経験を生かせる
・推論ができる(未来予測力)
 →概念抽出に記憶力が必要なのではないか

スムーズな思考には記憶力が必要
 →結果的に生存に有利


進化的に...
ヒトの祖先は集団生活をしなければならなかった
→ 社会生活を行う上で記憶力が必要だったのでは?

<まとめ>
 思考力とともに記憶力も上がっていき、結果的に生存に有利になったのではないかと考えられる。また、進化的に社会生活を行う上で記憶力は必要だったのではないかと推測できるが、現代において記憶力がいいからといって社会生活がうまくいくとは限らず、ある程度の記憶力が必要最低限のものとなっているのではないかと考えた。

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2016/01/21) Disappearing Sensor

NaturePodcast(2016/01/21) Disappearing Sensor
元論文:http://www.nature.com/nature/journal/v530/n7588/full/nature16492.html
担当 :平田
参加者:7名


概要
交通事故や銃による損傷で脳の手術が必要となった場合、頭蓋骨内にセンサーを埋め込み圧力と温度を計測する。しかし、現在のハードウェアではデータ通信のためにワイヤーを通す必要があり、そこから感染症や炎症を起こす危険性が高いとともに、不要になったセンサーは再手術により取り出さなければいけないというリスクがある。
  その問題を解決するために体内で分解されるセンサーを開発。センサーは主にマグネシウムとシリコンでできており、そのほとんどが生分解性である。またデータはワイヤレスで取り出すことができる。マウスでの実験により、現在使われているセンサーと比較しおよそ同程度の精度・確度での圧力および温度の計測が可能であった。




議論
埋め込み型センサーが一般化したときのメリット・デメリット


◯何のセンサリングをするか?

埋め込み型にする必要性のありそうなものは「血液系」


血液系
         頻度 
・血糖値      毎分
・ガンのマーカー 月一回
・中性脂肪    日一回
・酸素飽和度   毎分
・血中ホルモン  毎分


電気系
・心電      数百Hz
・神経細胞    毎秒
・脳波      毎秒


その他
・体温      毎秒
・心拍      毎秒
・mRNA     たくさん
・血圧      毎秒
・呼吸数     毎秒
・神経伝達物質  毎秒
・腸内メタゲノム 年一




◯血液系を計測する埋め込み型センサーについて

メリット
・同時に複数のデータが取れる可能性がある
 心拍、脈拍、血圧等

デメリット
・埋め込む難易度が様々 大抵大変
・センサーの大きさによってその負担もいろいろ
・どこに取り付けるかが問題になってくる
  血管に刺す場合、動いた時の負担が不安
・メンテナンスが必要
  人間ドックで定期的にメンテナンスをするサービスを行えば解決?







まとめ
やはり手術をするのは嫌なので
非侵襲的に計測できるセンサーの開発を進めて欲しい






2017年2月3日金曜日

細胞の分子生物学 22章 多細胞生物における発生 第4〜6節

担当:天満
参加者:7名


概要:
[4節. ホメオティック遺伝子と前後軸のパターン形成]
ホメオティック遺伝子:組織の前後軸や体節制を決定づける遺伝子。脚や目、触覚などの適切な数と配置について決定的役割を持つ。
・複雑な動物の成体も幾つかの基本構造単位の反復でできている。
・どの体節も遺伝子発現様式の繰り返しだが、ホメオティック遺伝子の発現が異なっているため、異なる性質が現れる。
・Hoxコードは前後の違いを特定し、Hox複合体は位置情報の永続的な記録を持つ。
・ショウジョウバエのゲノムでは1つの始原Hox複合体から別れた2つの遺伝子群があり、哺乳類では4つのHox複合体がある。
[5節. 器官形成と付属器官のパターン形成]
昆虫の幼虫などの体節は、反復構造単位によってでき、ホメオティック遺伝子によって各体節の特徴が与えられる。下位構造は少数の基本設計の変形で与えられる。
・条件変異と誘導体細胞変異により、発生後期の遺伝子の機能が解析できる。
・成虫のハエの体の部分は、成虫原基(幼虫の各体節に存在する明らかに分化していない細胞群)から発生する。
・成虫原基細胞の位置情報の記憶にホメオティック遺伝子が必須である
・特定の調節遺伝子が付属器官を作る細胞を決める
・脊椎動物の肢も似た機構で形成される
[6節. 細胞移動と脊椎動物の体形成]
動物の細胞には運動性があり、発生時に胚の中で動きまわる。
いろいろな状態で規則的に配置された細胞は、移動し、正しい場所へ再配置される。
・両生類の胚の極性は卵の極性によって決まる。
・卵割により多数の細胞になる
・細胞接着分子のパターンの変化で細胞の位置が変わる
・脊索の伸長と神経板の丸まりによる神経管の形成
・脊椎動物の体の左右非対称性は初期胚の分子の非対称性に由来する


議題:
現在ある発生のメカニズムの誕生は必然的か偶然的か?

■そもそも発生メカニズムとは?
卵に精子が結合し胚ができ、胚内に濃度勾配ができ分化していく
次いで分化した細胞が移動し再構成をし体ができていく

■可能な"動き"
・人間なら目で見て進路方向を決められる
・目を使わない場合、手で触れながら進むなど
→DNAなどを辿りながら移動?
・"拡散"という手段を使えば"動く"ことができるが、バラバラになってしまう
→"側方抑制"によって方向を制御


考察:
発生メカニズムのどの段階を取り出すなど、切り口はいろいろあるかもしれないが、卵と精子(あるいはそれに準じるもの)によって胚ができるということを前提とし、そこからの発生を考えるのであれば濃度勾配や、側方抑制などを用いて動きを与えるという手段はおそらく外すことができない。したがって、現在の多くの生命の発生メカニズムは必然的な産物と言えるのではないだろうか。