2017年2月21日火曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast (2016/02/04) Spring cleaning cells

Nature Podcast (2016/02/04) Spring cleaning cells
元情報:http://www.nature.com/nature/podcast/index-2016-02-04.html
担当 :加賀谷
参加者:7名

概要

細胞は分裂を繰り返すと、それ以上分裂することができない『老化』した状態になることが知られており、p16INK4aの発現などの特徴が見られることが知られている。今回の論文では、このp16INK4aを発現する細胞でアポトーシスを誘発する薬剤を週2回注射することで、このような細胞を除去することとし、結果として副作用なくマウスの寿命を延ばすことに成功した。

議題 老化が抑制された場合の社会構造の変化

・日本の平均寿命
  ・男性: およそ80歳
  ・女性: およそ87歳
  もし仮に論文のマウスのように25%延びると
  ・男性: およそ100歳
  ・女性: およそ109歳

現状の社会構造

・年金 : 65歳から支給
・労働 : 15 ~ 65歳

 ・25%延びると81歳まで労働することになる
  ・働く人が多くなりすぎる?
  ・長すぎ



その他の疑問

・脳の構造は何か変化するのか?
・病気のリスクとかはどうなるのか?
・総人口は増える?減る?
 ・総人口が変化しないと、年代ごとの人口は減ることに
・経済レベルが反映されやすくなる
 ・薬を注射しなきゃならないから
・若い方が有利な産業とか
 ・ITとか先進的なの
・長すぎる人生で鬱が増える?
・死因は変化する?

まとめ

論文ではこの手法をマウスでのみ実験しているが、ヒトでも安全に使えるようになったら、確実に平均寿命は伸び、社会的変化が必要になることは確実であると考えられる。老化を抑えることで生産可能人口を増やすことができるが、一方で組織の新陳代謝は悪くなり、新しい技術や価値観の導入に遅れがちになることが予想されるとも考えられると感じた。また、寿命を延ばすことは一般的によいことだと思われがちであるが、本当に長生きしたら幸せなのか?といった意見も出たことは興味深かった。

2017年2月14日火曜日

細胞の分子生物学 22章 多細胞生物における発生 第7~9節

担当:栗本
参加者:7名

<概要>
第7節
マウスは哺乳類であり、小さくて繁殖が速いことから遺伝研究によく用いられている。哺乳類は栄養が母体から補給されるため卵が非常に小さく、発生初期に胚体外組織を作る。また、その頃の発生系は自己調節的で、内部細胞塊はの細胞は分化全能である。
第8節
ニューロンはグリア細胞と一緒に生成し、軸索と樹状突起は成長円錐で成長し、伸張する。神経細胞はニューロンのプログラム細胞死とシナプス除去によって形成されていく。
第9節
植物は環境からの影響を大きく受けるため、葉などが受精卵から出てくる経路が数通りあり、頂端分裂組織が増殖して体の末端に新たな機構を追加するという過程で成長していくため、植物の特徴として反復構造がある。

<議題>
人間の記憶力の高さの理由

記憶力が良いことのメリット
・危険回避ができた経験
・食べ物の獲得の経験
(イヌ、ネコでも回避できる?)

→思考力が上がる意味は?(記憶力と思考力は関連)
思考力とは...条件が同じでなくても経験を生かせる
・推論ができる(未来予測力)
 →概念抽出に記憶力が必要なのではないか

スムーズな思考には記憶力が必要
 →結果的に生存に有利


進化的に...
ヒトの祖先は集団生活をしなければならなかった
→ 社会生活を行う上で記憶力が必要だったのでは?

<まとめ>
 思考力とともに記憶力も上がっていき、結果的に生存に有利になったのではないかと考えられる。また、進化的に社会生活を行う上で記憶力は必要だったのではないかと推測できるが、現代において記憶力がいいからといって社会生活がうまくいくとは限らず、ある程度の記憶力が必要最低限のものとなっているのではないかと考えた。

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2016/01/21) Disappearing Sensor

NaturePodcast(2016/01/21) Disappearing Sensor
元論文:http://www.nature.com/nature/journal/v530/n7588/full/nature16492.html
担当 :平田
参加者:7名


概要
交通事故や銃による損傷で脳の手術が必要となった場合、頭蓋骨内にセンサーを埋め込み圧力と温度を計測する。しかし、現在のハードウェアではデータ通信のためにワイヤーを通す必要があり、そこから感染症や炎症を起こす危険性が高いとともに、不要になったセンサーは再手術により取り出さなければいけないというリスクがある。
  その問題を解決するために体内で分解されるセンサーを開発。センサーは主にマグネシウムとシリコンでできており、そのほとんどが生分解性である。またデータはワイヤレスで取り出すことができる。マウスでの実験により、現在使われているセンサーと比較しおよそ同程度の精度・確度での圧力および温度の計測が可能であった。




議論
埋め込み型センサーが一般化したときのメリット・デメリット


◯何のセンサリングをするか?

埋め込み型にする必要性のありそうなものは「血液系」


血液系
         頻度 
・血糖値      毎分
・ガンのマーカー 月一回
・中性脂肪    日一回
・酸素飽和度   毎分
・血中ホルモン  毎分


電気系
・心電      数百Hz
・神経細胞    毎秒
・脳波      毎秒


その他
・体温      毎秒
・心拍      毎秒
・mRNA     たくさん
・血圧      毎秒
・呼吸数     毎秒
・神経伝達物質  毎秒
・腸内メタゲノム 年一




◯血液系を計測する埋め込み型センサーについて

メリット
・同時に複数のデータが取れる可能性がある
 心拍、脈拍、血圧等

デメリット
・埋め込む難易度が様々 大抵大変
・センサーの大きさによってその負担もいろいろ
・どこに取り付けるかが問題になってくる
  血管に刺す場合、動いた時の負担が不安
・メンテナンスが必要
  人間ドックで定期的にメンテナンスをするサービスを行えば解決?







まとめ
やはり手術をするのは嫌なので
非侵襲的に計測できるセンサーの開発を進めて欲しい






2017年2月3日金曜日

細胞の分子生物学 22章 多細胞生物における発生 第4〜6節

担当:天満
参加者:7名


概要:
[4節. ホメオティック遺伝子と前後軸のパターン形成]
ホメオティック遺伝子:組織の前後軸や体節制を決定づける遺伝子。脚や目、触覚などの適切な数と配置について決定的役割を持つ。
・複雑な動物の成体も幾つかの基本構造単位の反復でできている。
・どの体節も遺伝子発現様式の繰り返しだが、ホメオティック遺伝子の発現が異なっているため、異なる性質が現れる。
・Hoxコードは前後の違いを特定し、Hox複合体は位置情報の永続的な記録を持つ。
・ショウジョウバエのゲノムでは1つの始原Hox複合体から別れた2つの遺伝子群があり、哺乳類では4つのHox複合体がある。
[5節. 器官形成と付属器官のパターン形成]
昆虫の幼虫などの体節は、反復構造単位によってでき、ホメオティック遺伝子によって各体節の特徴が与えられる。下位構造は少数の基本設計の変形で与えられる。
・条件変異と誘導体細胞変異により、発生後期の遺伝子の機能が解析できる。
・成虫のハエの体の部分は、成虫原基(幼虫の各体節に存在する明らかに分化していない細胞群)から発生する。
・成虫原基細胞の位置情報の記憶にホメオティック遺伝子が必須である
・特定の調節遺伝子が付属器官を作る細胞を決める
・脊椎動物の肢も似た機構で形成される
[6節. 細胞移動と脊椎動物の体形成]
動物の細胞には運動性があり、発生時に胚の中で動きまわる。
いろいろな状態で規則的に配置された細胞は、移動し、正しい場所へ再配置される。
・両生類の胚の極性は卵の極性によって決まる。
・卵割により多数の細胞になる
・細胞接着分子のパターンの変化で細胞の位置が変わる
・脊索の伸長と神経板の丸まりによる神経管の形成
・脊椎動物の体の左右非対称性は初期胚の分子の非対称性に由来する


議題:
現在ある発生のメカニズムの誕生は必然的か偶然的か?

■そもそも発生メカニズムとは?
卵に精子が結合し胚ができ、胚内に濃度勾配ができ分化していく
次いで分化した細胞が移動し再構成をし体ができていく

■可能な"動き"
・人間なら目で見て進路方向を決められる
・目を使わない場合、手で触れながら進むなど
→DNAなどを辿りながら移動?
・"拡散"という手段を使えば"動く"ことができるが、バラバラになってしまう
→"側方抑制"によって方向を制御


考察:
発生メカニズムのどの段階を取り出すなど、切り口はいろいろあるかもしれないが、卵と精子(あるいはそれに準じるもの)によって胚ができるということを前提とし、そこからの発生を考えるのであれば濃度勾配や、側方抑制などを用いて動きを与えるという手段はおそらく外すことができない。したがって、現在の多くの生命の発生メカニズムは必然的な産物と言えるのではないだろうか。


2017年1月31日火曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2016/01/14) Fibre and the microbiome

Nature Podcast(2016/1/14)Fibre and the microbiome
元論文(http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7585/full/nature16504.html)
担当:田河
参加者:7名

概要:
腸内細菌マイクロバイオームと食物繊維の話
研究のきっかけは、現在でも伝統的な生活をしている集団は都市部の生活をしている人よりも細菌叢の多様性が高かった(これもこの研究者の研究)→都市的な食生活のせいで多様性が失われたのでは?
食物繊維は腸内細菌にとっての主要なエネルギー源のためこれを減らすとどうなるのかラットを使って調べてみた
結果、食物繊維に含まれる細菌叢が分解できる炭水化物(MAC:Microbiota-accessible carbohydrates、水溶性食物繊維?)を少なくした食事をしたマウスは細菌の多様性が減った。さらに1世代内においては食事を高食物繊維職に戻したところ多様性がかなり戻った(完全ではない)。低食物繊維職を世代に渡って続けると多様性はどんどん減っていた。そして4世代にもなると食物を戻しても多様性は失われたままだった。
よって人間でもすでにいくつかの細菌が食生活の変化によって絶滅してしまっているのかもしれない。
また従来の食生活をしている集団はたとえ場所が違っていても共通の細菌を保有していた
この最近の多様性の減少が何をもたらしているのかはわからないが、もしかすると現代病の原因にもなっているのかもしれない。

議題:同業者同士の結婚は幸せか



まとめ
 同業者の定義
  •  同じ職業(教師や医者、研究者)
  • 同じ会社
  • 同じ部署
幸せとは?
  • 本人が幸せならばよいか
  • その子供や雇い主側の幸せは個人の幸せとは変わってきそうである
メリットとデメリット
  • メリット
    • 家でも成果があげられる(些細な議論等も気兼ねなくすることができる)
    • 2人でいつでも行動できる
    • 同業者だからこその悩みを理解できる
    • 学会なんかで一緒に旅行に近いことができる
    • お互いの意欲が一致していれば幸せである確率が高そう
    • そもそも上手く行っているから離婚せずに続いている
  • デメリット
    • どこにいても仕事のことを考えなくてはならない
    • 同じような生活パターンになりがち
    • 研究者の場合同じ機関に所属することが難しい場合もある
    • 相手のキャリアが妬ましくなることがある
まとめ
結局は上手く行った人は離婚をしないため、うまくいっている人が多いように見える。ただし相手との社会上の関係性は通常の夫婦よりもよりシビアになりそうだという印象を受けた。

2017年1月26日木曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2016/01/07) Extreme crop damage

担当:佐藤(広)
参加者:7名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2016-01-07.html

元論文:
Influence of extreme weather disasters on global crop production
http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7584/full/nature16467.html

概要:
干ばつ, 洪水, 極端な気温といった気象災害がglobal scaleで作物に与える影響の定量化.
干ばつ, 高温がproductionを低下させ, 洪水と低温は有意差無し.
これは, 洪水と低温が発生する地域や時期が原因だと推測.
まだ, 干ばつがyieldとharvested areaを低下させるのに対し, 高温はyieldのみ低下.
これは災害の継続時間が原因だと推測.

議題:
役に立つデータベースとは

■ データベースが使いづらいケース
・ ソート機能が無い
 → rawデータさえあればいい?
  → 他のデータベースのデータを使っていると面倒
・ 開発者が自分で使わない
・ Web上で中身を確認できない
・ UIが気に入らない
・ データベースの独自IDがある
・ データベースのコンセプトが分からない

■ データベースを使う側が欲しい機能
・ formatだけでも知りたい
・ Summaryが見たい
 → データ数, 各カラムの分布, 最終アップデート日など
・ データの精度と計算方法が知りたい
・ データベースの構築手順を公開して欲しい
 → 再解析ができる

データベースの作成ガイドラインがあればいい?
 → データベースを使う対象を実験屋さんと情報科学屋さんで区別した方がいい

まとめ:
 様々な意見があったが, 情報科学屋さんとしてはrawデータが手に入り, DBの再解析できれば最悪なんとかなる.

2017年1月17日火曜日

細胞の分子生物学 22章 多細胞生物における発生 第1~3節


担当:栗本
参加者:7名

<概要>
第1節:動物の発生の基本機構は全て同じであり、進化上関連が深い。多細胞生物に特有のタンパク質には膜貫通分子と遺伝子調節タンパクがあり、また、分化するよりはるか前に位置による決定を受ける。細胞間の違いを作り出す代表的な戦略は2つあるが、いずれも非対称性が存在していることが前提である。
第2節:線虫では1つの前駆細胞が分裂するパターンはどの個体でも同じであり、子孫細胞の運命は系譜図の位置から予測することができる。線虫は細胞間相互作用のパターンの再現性が非常に高いためである。
第3節:ショウジョウバエは構造は線虫より複雑でヒトの体の構造と明らかな共通性を示すが、発生が多核細胞となるところから始まる。主要な4つの遺伝子が規則正しく、段階的に相互作用しながら限られた領域で発現することで制御される。

<議題>
対称性を持つことのメリットとデメリット

*対称じゃない生物
  カニ(シオマネキ)
  ヒラメ、カレイ
  巻貝


植物は回転対称
動物は左右対称 が多い?(ミミズとかは例外?)

デフォルトは対称で進化するにつれて非対称のものが出てきたのでは?
→系統樹で対称と非対称の境界がみられればいい


*対称性のメリット
  対称は簡単(設計図が1つで良い)
  → 内臓が対称じゃないのは限られたスペースに効率よく臓器を詰めたいから。
  安定性がある


<まとめ>
 議題からは少しずれた話になっていったような気がするが、様々な生物が対称であるかは面白い議論だった。基本的に対称性であることにメリットがあるが、進化の過程で何らかの要因によって非対称な生物が出てきたと考えられる。